意識的に行いたい多職種のコミュニケーション

多職種協働では、積極的に他の職種の人とコミュニケーションをとることが必要です。なぜなら、介護の現場ではさまざまな職種の人が1人の利用者を担当します。たとえば、利用者の生活全般を担当する介護職と、利用者の健康をチェックする看護師の場合、一見すると違う作業内容だと感じる人もいるでしょう。ですが、利用者の普段の状態を介護職が報告していないと、看護師は体調の異変に気づきにくくなります。また、健康状態について詳しく把握していなければ、作業療法士はどのようなプログラムを組んだらいいのか分かりませんし、福祉用具事業所はどのようなアイテムが利用者の助けになるのかその判断に困ります。各職種が1つにならなくては、利用者に対して満足のいくサービスが提供できないのです。

多職種協働で他の職種の人と、積極的にコミュニケーションをとるには、できるだけ普段から声かけをすることです。必要なときにだけ連絡をとったり月に1度に報告するだけでは、なかなかチームワークはとれません。些細なことでもすぐに報告したり週に何度か会うようにすると、連携がとりやすくなります。そして、このときにはさりげなく労りの言葉をかけたり、世間話を入れたりるのもコツです。事務的な報告だけでは、堅苦しくなりがちです。ですが、何気ない会話をすることで互いに親近感を感じられ、相談などもしやすくなります。また、相手の意見が間違っていると感じた場合には、必ず客観的なデータを提示してからにしましょう。指摘だけすると、ついつい感情的になって交流がうまくいかない可能性があります。