多職種協働はなぜ重要なのか

高齢者の介護は、身体機能の衰えた利用者をサポートする身体介護や生活援助などを介護職だけでカバーできるものではありません。介護の仕事は、多職種協働と呼ばれるさまざまな職種の人々が連携して成り立つものです。高齢者は、若者や健常者よりも身体機能が衰えていることがほとんどで、介護職だけでなく医師や看護師、薬剤師などの医療従事者とも関わることが増えます。また、リハビリなどを行っていることもあるでしょう。これらのさまざまな職種が連携し、利用者の体の状態がどのように変化しているのかをそれぞれの職種が正確に把握することが、利用者の健康を守るために非常に重要です。情報を適切に共有し、連携して働きかけることによって、効率的な介護を行うことができます。

身体的な変化は、利用者が必ずしも自覚できるわけではありません。しかし、介護職が利用者としっかり向き合う中で些細な変化でも気が付いて医療従事者に知らせることができれば、より素早く適切な処置をとることができます。しかし、多職種協働が上手く働いておらず、情報の連携がうまくいかない場合、利用者の健康を害す可能性もあるでしょう。情報の連携がうまくいかないことによって、医療ミスを引き起こすこともあれば、無駄な介護や施術をしてしまうこともあります。これは利用者の大きな負担となり、場合によっては介護度を高めてしまう可能すらあります。正しい多職種連携によって無駄をなくし、適切な処置を提供することが、利用者の健康を守り介護度を低くするためにも役立つことです。